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アクタージュ(第53話)のネタバレ!
日本を代表する演出家・巌裕次郎は自身が手掛けた最後の舞台の初日に息を引き取った。
巌裕次郎の葬儀・告別式は、舞台公演3日目に執り行われた。
3000人を超える参列者に見送られた。
見送りには最後の舞台『銀河鉄道の夜』の出演者たちも参加している。
「ちゃんと撮れよ、アイツだ」
記者団は『銀河鉄道の夜』の出演者たちにカメラを向けてシャッターを切った。
「アキラと明神阿良也でしょ」
若いカメラマンは人気俳優と巌が育てた怪物を写真におさめる。
ちげーよ、バカとベテラン記者は言う。
「女優、夜凪景」
記者団の目的は、巌裕次郎最後の舞台の出演者たち。
星アキラと明神阿良也はもともと知名度が高く、開演前から注目されていた。
その二人を差し置いて記者が注目するのは、夜凪景だった。
「新人だが凄まじい演技をするらしい」
みんな目をつけているとカメラを夜凪に向ける。
黒山墨字は止めたはずの煙草を手に喫煙所にいた。
灰皿を挟んで手塚もいつものようにサングラスを掛けて煙草を吸っていた。
「夜凪ちゃん、話題になっているね」
僕がマネージャーやろっかと黒山に冗談を言う。
「葬式にサングラスで来る変態とはつるまねぇ」
黒山はそれを素っ気なくあしらう。
じゃあなと立ち去る黒山の背中に手塚は言葉を掛ける。
「彼が来ているよ」
3000人の参列者の中には著名人も多く含まれていた。
その中には星アキラの姿もあった。
『銀河鉄道の夜』に出演する星アキラは巌裕次郎との思い出を訊かれていた。
「今回の出演にコネという声があり、それが舞台に与える影響について」
時と場所を考えない、悪意に塗れた質問がとんだ。
「どうぞ僕たちの芝居を観に来てください。皆さんの判断に任せたいです」
悪意のある質問に、アキラは嫌味一つない笑顔で応えた。
その対応に報道陣は黙り込んだ。
「巌の舞台で育った役者は強くなりすぎる」
質問した記者はアキラの答えに舌打ちをした。
『銀河鉄道の夜』の出演者たちは自然と控え室に集まっていた。
その空間に悲しさがなかった。
雑談する彼らの前に一人の女性が現れた。
「…母さん」
現れたのはアキラの母親でスターズの社長、星アリサだった。
「あなたはよく帰って来たわ。きっともう大丈夫」
星アリサは阿良也に近づき、舞台初日の演技の感想を言う。
彼女はその空間に集まっている『銀河鉄道の夜』のメンバーに言い聞かせるように、公演はまだ30日近くあると言う。
日に日に芝居は研ぎ澄まされていくと。
「あなたはその度に死を体験する」
夜凪に向かいはっきりと告げる。
「朝起きた時、家族が昔の写真のように懐かしく感じたら気を付けなさい」
そして、夜凪に忠告する。
「あなたがあなたでなくなる前兆よ」
それはまるで自身の体験に言い聞かせるようでもあった。
良い話には気を付けなさいと星アリサは立ち去る。
入れ替わるように一人の男性が入ってくる。
「プロデューサーの天知心一です」
星アリサは去り際に出会った黒山に天知心一が夜凪に接触したことを伝える。
「あなたがあの子を守りなさい」
黒山は急いで夜凪も元へと行く。
天知を前に、夜凪は嫌な鳥肌をたてていた。
不敵な笑みを浮かべた天知は雑誌を開き、記事を見せる。
「さて次は私の見世物になりませんか」
《新生女優は悲劇のヒロイン》《不幸が生んだ美しい才能 夜凪景》
記事にはそのタイトルと、写真が載っていた。
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アクタージュ(第53話)の感想!
演出家・巌裕次郎との本当の別れ。
心のどこかではまだ生きていることを願っていましたが、彼が舞台を目にすることはありませんでした。
潜ったまま帰って来なかった女優のことを忘れられない巌は、深く潜りそれでも帰ってきた阿良也を観ることができませんでした。
きっと彼には分かっていたのだと思います。
阿良也が深く潜っても、きっと夜凪が戻る手助けになることを。
星アリサにとっては、少しくらい肩の荷が下りたのではないでしょうか。
夜凪に近づいたプロデューサーと彼を警戒する黒山。
一難去ってまた一難。
物語は平穏のまま進まず、これからさらに加速していきます。
次回も見逃せません!!
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