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アクタージュ(第49話)のネタバレ!
演出家・巌裕次郎不在のまま、舞台『銀河鉄道の夜』の初日は最終幕を迎えていた。
観客は星アキラや七生たち共演者が心を掴み、夜凪と阿良也により『銀河鉄道の夜』の景色へと引き込まれた。
カムパネルラは音もなくジョバンニの元から立ち去る。
一人取り残されたジョバンニは気づけ元の世界に戻っていて、カムパネルラの死を教えられる。
それで舞台の初日はおしまいのはずだった。
阿良也演じるジョバンニは「嫌だ」と夜凪演じるカムパネルラの手をとった。思わず漏れた本音だった。
『スタジオ大黒点』と書かれた車は舞台が開かれる施設へと辿り着いた。
黒山墨字は最も舞台を全体を見通すことのできる調光室・音響調整室の扉を開けた。
彼が最初に目にしたのは、黒山本人が見出した夜凪ではなく怪物・阿良也だった。
明らかに別人と化している演技をみせる夜凪よりも、現実と芝居の世界の狭間で危ういほどの演技を見せる役者に視線を惹きつけられた。
彼は毎日が死ぬほどに退屈だった。
湯船の中でまるで深海にゆっくりと沈んでいくかのように生きる目的などなかった。
「あーちゃん、うちのことホテルか何かだと思ってる?」
たまにシャワーを貸す会う女性は、久しぶりの再会に喜ぶこともその身を心配するものでもなかった。
呆れた表情のまま嫌味を口にする。
ホテル行ったことないからわからないとぶっきら棒に彼は答える。
「じゃ帰るよ、アキ」
女性の名前を呼んだ瞬間、彼の頬をバチンと音を立てた。
私の名前はエリよ、と女性は彼に平手打ちをして怒鳴った。
彼は以前道で声をかけてくれた女の人と名前を間違った。
アキと同じだろ?と女性に訊ねると、女性はさらに彼に平手打ちを打とうとした。
「こいつ役者なんだ。顔は勘弁してくれ」
女性の手を老人は止める。
驚く女性に老人は論点のズレた説明をする。
彼は老人に自分は役者にはならないときっぱり断り、何故ここにいるのか訊ねる。
「いいや、お前は役者になりたいんだ」
老人は彼の断りを否定し、稽古場に戻るよう促す。
二人は女性に事情を説明することなく、置き去りにして部屋をあとにする。
彼は幼い頃に老人にスカウトされた。
幼かった彼は行く宛などなく、稽古場に出入りしていた。
学校をサボり、稽古場で昼寝をしたり食事をしたりするだけだった。
役者にはまるで興味がなかった。
「俺が勝ったら稽古に出ろ」
ある日、ゲームセンターで格闘ゲームをプレイしていた彼に老人は言った。
老人が勝つまで続けると。
彼は、器用でどんなことも人より上手くできた。
それが退屈の原因だと思っていた。
「お前の退屈は、お前が全てを馬鹿にしているせいだ」
老人は、彼が正直すぎると言った。
「嘘つきだらけのこの世界で、嘘を吐かない覚悟をした者を役者という」
だからはお前は役者になりたいんだ。
彼は劇団のメンバーに老人は何者かと訊ねる。
「あんたへの執着は異常だ」と返ってきた。
それは嫉妬かと返す彼の一言で争いになる。
しかし、周りはそんな些細な揉め事よりも、星アリサが来ていることに驚いていた。
星アリサは何故自分をキャスティングするのか老人に訊ねる。
この答えをもらう前に星アリサは鼻で笑い、帰る。
ビジネスパートナーとしてなら付き合うと言い残して。
すれ違い様、星アリサは彼に「役者はやめておきなさい」と言う。
彼は理由の分からない鳥肌が立っていた。
老人の初めて見る後ろ姿に、あれが役者なのかと興味が湧いた。
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アクタージュ(第49話)の感想!
演技以外に不器用だと思われていた阿良也の過去が初めて明かされます。
何でもそつなく上手にこなす故に、阿良也は毎日が退屈でした。
「この前道で声を掛けた女性と間違えた。あんたも同じだろ?」
何気ない登場人物の台詞で登場人物の関係性を示します。
注意深く読まないと見落としてしまいそうな一言ですね。
ゆらゆらと水面を漂うように日々を過ごす阿良也を巌裕次郎は執拗に勧誘する姿は、興味を惹かれる要素が阿良也あったのだろうと思いました。
まるで役者に興味のなかった阿良也が、巌裕次郎と星アリサの出会いにより役者への興味が沸き立ちました。
怪物といわれた阿良也が役者になるきっかけが明かされた第49話。
次回も楽しみです!見逃せません!!
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