「グラゼニ~パ・リーグ編~」のネタバレと感想を紹介します!
週刊少年 2019年2,3合併号 2018年12月13日発売分です。
グラゼニ~パ・リーグ編~ 第32話 ネタバレ
「じゃあ印西とトクふたりで話し合え。そして登板の日を決めろ。そこを優先する」
「…………」
(中間管理職はツラいよ)
印西に迫るタイムリミット! 投げるも投げないも、待っているのは地獄なのか。
「これ以上印西を塩漬けにできない。もう逃げられんのだ」
(………………)
「わ、わかりました」
監督に言われたことを深刻な表情で考えるトク。
(今まで……、前任者の浦田ピッチングコーチが……、なんのかんのと理由をつけて印西を試合に投げさせなかったのは半分、親心だった)
“一軍投手”の印西が試合で二軍の選手に打ち込まれたら、ショックを受ける。
納得しきれないまま印西と話し合うトク。
「や、やります。可能な限り早く投げたい」
「じゃあ……この日でいいんだな」
印西が部屋を出た後も考え続ける。
(………………言えない)
トクは、印西が2段モーションにしてボールがのびる感じが、かえって打者にとってはうちごろのボールになってしまっていることに気が付いていた。
(せっかく工夫によってボールの勢いが増したのに……。じゃあ元に戻せばいいのか?
――って話になる。元に戻したら…………それこそ元に戻るだけ。一軍に戻ったらまたメッタ打ちにあう)
行ってもダメ、戻ってもだめ。それが今の印西なのだ。
(ただでさえプロ野球にしがみついてきた印西……。けっして才能に恵まれた素材ではなかった)
印西は根っからの努力家で、若い頃から少しずつ少しずつ成果を伸ばしてきた。
34歳でキャリアハイの“9勝8敗”まで来て、年俸も今年の“5千万”が最高到達地点。
“この才能”だと35歳というトシに負ける。
(いや! むしろ“この才能”で35歳のシーズンまでプロ野球から契約してもらったんだ……。できすぎ! ……と、考えてもいいくらいかもしれん)
当球場に向かったトクは、投球練習中の夏之助のバッターボックスに立った。
(トクさん)
「ちょっと立たせてもらうぞ」
「はい」
夏之助はピッチングフォームに入る。
グローブの中で球種を弄り、ぐっと右足を踏み込んで、素早く投げた!
回転の掛かったボールは、トクの目の前を素通りしキャッチャーのミットへ入る。
気持ちのいい音だ。
(印西のボールと夏之助のボールは違う!)
「夏之助」
「はい?」
「今年33歳……。“トシを感じる瞬間”はあるか?」
「へ?」
うろたえる夏之助。
「う~んと……まあ……、一応感じてないつもりなんスけどねえ……!」
「うむ……、そりゃそーだろな」
トクの様子に疑問を抱く夏之助。
(33歳と35歳の微妙な違い……。――夏之助はまだ、ギリギリ復活できる年齢だ!)
ところ変わって、外周や体幹トレーニングなどをこなす夏之助。
その姿を見て、食堂の一スペースで語るのはチームメンバーだ。
別の場所で印西も食事をしている。
「しかし、凡田さんはよく練習するね~」
「今年33だろ? あんなに練習したら体、壊しちゃうんじゃねーのか?」
(…………)
食堂から出てきた印西。
(凡田は確かによく練習する。鬼気迫るものがある。――刺激される! おれもあれくらいやらないと一軍には帰れないんじゃないのか?)
「印西」
「!」
その時、目の前まで来ていたトクが印西の名を呼んだ。
「夏之助に刺激されるのは違うからな」
「え!」
「今のオマエが夏之助と同じ練習をしたら体を壊してしまう」
「う……」
「今はあせらず次の登板に合わせて練習するべきだ」
(…………た、確かに。おれと凡田は違う……。凡田の2段モーションは、タメを取り戻すのが目的。おれにとっては2段モーションは“昔取った杵柄”。このフォームを取り戻すことは容易いこと)
印西はトクの言葉に考えを改め直した。
トクは印西と話した後、ベンチで夏之助と話していた。
「夏之助、オマエもイースタン初登板が迫ってきたわけだが……。2段モーション、どうする? アレで本当に行くんだな?」
「2段モーションは……、試合ではやりません」
「!」
夏之助は、2段モーションはまだ自信がないという。
だから、試合ではノーマルモーションに戻す、と。
「夏之助……」
「一応大丈夫なつもりです。2段モーションを練習したおかげで“タメ”の感覚が戻ってきました。何より、すごいリフレッシュできた気がする。そして、走り込みも体幹トレーニングも死ぬほどできましたしね……!」
二軍相手ならまず負けない、と自信満々の夏之助にトクは驚く。
こうして、夏之助と印西の二軍での実践は始まった。
グラゼニ~パ・リーグ編~ 第32話 感想
トクはなんだかんだ夏之助が好きなんでしょうね、印西の時より夏之助の時の方が熱の入りが違います。
同県会見参!(笑)
凡田は二軍試合にノーマルモーションで挑みますが、その表情を見る限り全然大丈夫そうです。
むしろ、印西が今後どうなっていくのかに注目が集まります。
2人とも1軍入りして欲しいものですが……、これがリアルなプロ野球だとすると、可能性はほぼ0に近いでしょう。
まぁ、印西の我慢が功を奏すかいなかにかかっています!
というか、トクさんが一番大変そう(笑)
と言う事で、次号に乞うご期待!!