「switch」のネタバレと感想を紹介します!
週刊少年サンデー 2019年2,3号 2018年12月12日発売分です。
switch 第34話 ネタバレ
「桃馬がその心臓で生まれてきてくれてよかったよ」
来夢の言葉に驚く桃馬。
その頃、相手チームのベンチでも桃馬の話が繰り広げられていた。
「あの13番が蒼馬の弟!?」
「去年のウィンターカップでベスト5に選ばれたあの七澤蒼馬の……」
「ああ」
監督は相槌を打つ。
「中学までは心臓の問題を抱えていて、公式戦で日の目を見ることはなかったようだが……。流石のセンスだな」
(だが体力・経験が少な過ぎる……。今年のウチの敵ではないだろう)
現在、桧葉山19点、桜仙18点。
「桃馬もスタミナ切れちゃったし……」
「やっぱ桧葉学相手じゃキビしいな」
静まり返る桜仙ベンチ。
「「良かった」ってどういう意味だよ」
凄む桃馬に思わず詰まる来夢だが、直ぐに自信をもって話す。
「桃馬は、なんで桜仙高に来たんだよ?」
少し考えて答える。
「試合出れなくて練習してたら、たまたま監督の目にとまって……」
「じゃあ、その心臓だったから、桜仙で俺たち出会えたんだろ」
「? まぁ……そうかもな」
「なら俺にとっては、お前の胸にキズ痕も苦労も全部含めて良かったんだよ。だって……―― そのキズ痕があるから俺はお前にパスが出せる」
来夢の言葉が桃馬へ静かに流れ込む。
「ちょっと今日は無理そうだけど……。ユニフォーム貰えなかったから」
「2P始めます!」
「それに桃馬、お前の変なリズムのバスケって、1人でコソ練やってたから身についたんじゃねーの? なら、それも心臓のおかげだろ。……じゃ、俺も出たいけど、歯ぎしりしながら応援するよ」
来夢の言葉でスイッチが入った桃馬。
第2ピリオドがスタートする。
パスをもらった桃馬の前には相手が立ちふさがり、言葉の攻撃を仕掛けてくる。
(体力に問題あり、メンタルはどうかな……?)
「弟くんは心臓が悪いんだよな?」
「!」
「健康だったらお兄ちゃんみたいなスターになれてたかもしれないのに……。可哀想に、残念だよ」
桃馬は構わずドリブルに入った。
(おっ、熱くなるタイプ?)
(俺は可哀想な奴なのか?)
(またファールにならない程度の接触で、コイツのリズムをくるわせてスタミナを削る!)
(……。そのキズ痕があるから俺にパスが出せる……か。俺のキズ痕のことを認めてくれる奴もいるんだな)
相手はボールをカットしに来る! が、まるで元々横にいなかったかのように空ぶった。
桃馬は後ろにいたのだ。
――お前がその心臓で生まれてきてくれて、よかったよ――
(この心臓じゃ何もできないって、自分で決めつけてただけか……。キズはとっくに癒えているのに)
(躱された!? いや、これがコイツの―― 本来のリズム!!)
――“自分世界(マイタイム)”――
桃馬の放ったボールは、誰に邪魔されることもなく、静かな入出音のみを残して潜り抜けていった。
「おおっ! 桜仙の13番だ!」
(俺も、挑戦してもいいのかな)
switch 第34話 感想
今週のswitchは桃馬の回でした。
心臓に抱えていた病も完治しているとはいえ、長年の生活で染みついた劣等感や無意識の気遣いというのは、直ぐ取れてくれるものではありません。
ですが、兄を失くした来夢だからこそ、ちょっぴりありきたりな恥ずかしいセリフでも様になるのです!?
兄がいるから持つ劣等感、兄がいないから持てる確信。
二人をつなぐのはやはり“兄”という存在なのでしょう。
偉大ですね!
次回乞うご期待!!