「あひるの空」のネタバレと感想を紹介します!
週刊少年マガジン 2019年2,3合併号 2018年12月12日発売分です。
あひるの空 第607話 ネタバレ
九頭高2点、大栄高校15点。その差、13点。
ベンチに集合している選手たちに、坂田が声をかける。
「点差は開いちゃいるが、そこまで気にしなくていい。それよりも得点のリズムを作ることが先決だ。逆算的だが、あの縦パスをまず完全に封じろ。得点できたところで8秒で返されたら、精神的にもたなくなる」
坂田は、縦パスの精度よりもむしろDFの隙を突く“目”のおかげで通っているという。
「ターンオーバーからの数十秒は一番集中力がバラける瞬間だ。まずはその“8”秒をつぶす。オーソドックスなハーフコートバスケに持ち込めれば、考える余裕は作れる。まずはそのスタンスを確立させる」
しかし、この手は九頭高が有利になる訳はない。あくまでも考える余裕を作るための一手。
大栄にとって、ただのアーリーオフェンスに過ぎない。
「千秋、白石にダブルはつけんぞ」
坂田の言葉に千秋は苦渋の表情を浮かべたままだ。
「肝心の得点は……?」
「心配しなくていい。ウチには黙ってても点取ってくれる奴がいるだろ」
「まぁ「ボクもイケますよ」」
いち早く反応する夏目を遮った茂吉。
「この面子ならば僕のところが一番、点がとれる」
遮られた夏目は茂吉に蹴りを入れた。
「ワイのターンジャマすんなボケ」
(ターン?)
「いけるのかトビ」
百春が不安げに問う。
しかし、夏目は“たったの15点”だという。
「シュートの本数を増やしても“下”が機能してないんじゃイミないぞ。勝負は制空権をどちらがとるかだ」
「任せてくれ」
百春は答えるが、その表情はとても固いものだった。
平塚市総合公園体育館入り口前に、一人の男が立っていた。
「っふ、良い風が吹いているな。夏の到来かはたまたヒーローが巻き起こす旋風か。……ヤヴァイな、自分で言ってて惚れちまうぜ」
彼のもとに近寄る女性。
「ノンスタイルの井上さんですよね、サイン下さい」
「ちげーわ!!!!! ……ん?」
人違いされた彼の耳に、少しばかりの音が拾われる。
(朋誠――か! 初県でここまで来たのは褒めてやるが、神奈川1位が相手じゃ運が悪かったな)
「リバン!!」
「百春先輩!!」
「ここも決めきれない――!」
八熊と競り合った百春だが、やはり勝てない。八熊はアディショナルタイム以前との明らかな違いを感じ取った。
(――……、なんだぁ……!? アイツ、こんな張り合いなかったっけ)
一方、白石と対峙する千秋。
「白石、オマエを殺、止める」
白石は溜息をつく。
「なんか忘れてるだろ」
「!」
「スリー!!!」
千秋の脳に過去の千葉の言葉が蘇った。
“アイツを――ただの地区敗退したプレイヤーにするなよ”
(いや、チバさん――。コイツ、トキワよりスゴイんですが)
「これで、18対2……!! 絶望的な実力差……!!」
「あんさん、こっち回してくれ。ちょいと、暴れるワ」
あひるの空 第607話 感想
遂にエースが巻き返すのか……っ!!? という良いところで今号は終了です。
白石の攻略、これが鍵になるのは間違いありません。
16点差を巻き返すには、普通のシュートで8回、3ポイントシュートで数えれば6回。
相手を抑えてそれ以上の回数が必要です。
格上を抑えるのに今でもできていないのに、巻き返すなんて現実ではか・な・り、無謀と言えます。
トビ!!! 頑張ってくれ!!!!! そして、空も活躍してくれ!!!!!
この気持ちは皆さん、同じでしょう。
サブタイトルにもありますが、FINに入ってか早くも⑪の回です。
そろそろ、クライマックスへと進みだす頃合いでしょう。
つまり、何が言いたいかというと……
来号に乞うご期待!!