「アオアシ」のネタバレと感想を紹介します!
ビッグコミックスピリッツ 2019年2・3合併号 2018年12月10日発売分です。
ハーフタイムに突入し、問題点をバックラインと話し合おうとするアシト達。
そこに先輩から声が掛けられます!
これは、アシトに信頼を寄せ始めているのでしょうか!!?
気になる続きをどうぞ!!
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アオアシ 第160話 ネタバレ
「小早川さんと俺も、話に加えてくれや」
突然の声に思わず驚きを見せるアシト達。
「どういう話をするつもりだったんだ、青井。DFだけで」
「え…、あぁ…!!それはもう、即修正っス!!」
アシトの言葉に視線を向けるコーチ陣。
なんだかんだアシトの行動はコーチ陣にも興味を引かせています。
「うまく守れてたはずやった…。やのに、前半終了間際でいきなり崩れた!!正直、理由がわかんねえ。でも、突き詰めなきゃな!けど、うまく守れてた時間もあった。それは間違いねぇ! だから、全部を変える必要はねぇんだ! そこは自信持たにゃあ!!」
いやぁ、いいことを言いますね。
アシト自身の視野の広さがなければ生まれない発言でしょう。
この案に乗った先輩の思い切りの良さ、さすがエスペリオンのプレイヤーです。
「福田監督、5分だけ時間いいですか」
「いいよ。俺も、もーちょっと時間かかるから」
「お前らが一番聞きたいのは、あのサイドチェンジからの流れだろう?」
「あのプレー一つでどうしてここまで混乱したのか」」
「……! はい!」
「ただな、問題にすべきはサイドチェンジよりもっと前なんだよ」
その言葉に驚くアシト達。
“縦とのコンパクトな距離感”が真の意味でできていなかった、と言われます。
「できていないって…、あれだけ意識してつめたのに?」
「俺の言ったことを、額面通りにやっちまったなあ! あのタイミングで言うのは早すぎたか?」
縦への指示を出した先輩は、後悔の念を薄っすら浮かべます。
しかし、焦りはありません。
アシト達はある意味、先輩の指示に応えようとしたからこそ今回の失敗に繋がりました。
新しい試みへのチャレンジには失敗も付きものです!
味方同士で距離つめればそれだけで守れる、若さが出た、とも先輩は言います。
つまり経験の浅さが出てしまった、と言う事でしょう。
「その結果、お前らのラインは気付かぬうちにどんどん前がかりになり、崩れていった。それを自覚すらしていないお前達に向かって、VANSは虚を突いてきた。サイドチェンジだ」
いつものアシト達であれば防げていた攻撃が、縦を意識しすぎたことによりできなかったのです。
自信があるあまり、防御網が崩れた瞬間のショックで立ち直れず、引きずってしまった。
これが真髄なのでしょう。アシト達はひどく動揺してしまいます。
(気づかなかった…。うまく守れてたつもりが、崩れるほど前がかりになっていたなんて…。でも…どうしたら良かったんや、それ…。
「縦にコンパクト」なんやろ!? つめる以外にどうしろって…!?)
「どうしたら良い」
思考に没頭していたアシトの後ろから、富樫が質問します。
「教えてくれ」
富樫は本当に変わりましたね!
自分の非を認め、他人に助力を乞う姿は昔では考えられません。
「ただ、つめれば良いという意識を今すぐ消してくれ。
守備はケースバイケース。
相手のレベルが高いほど状況はめまぐるしく変わる。
それを踏まえ、「真の意味でのコンパクトな守備」を身に着けて欲しい」
「つ、つめる距離をそのつど考えろってことすよね!? でも、状況ごとに俺らだけでそれを探ってくなんてムリじゃ…」
「お前ら、この2か月間それをやって来たんじゃなかったのか?」
その後も先輩の話は続きます。
「なあ、お前ら全半に一度でも、俺らにまともに要求をしたか?」
(あ…)
「コーチングを、アイコンタクトを、対等な立場でしたか?」
(あ)
「連携の必須条件だ。良くわかっているはずだろ?」
「気づいてたか? 先輩相手に引いてんだぜ、お前ら。厳しい条件でいっぱいいっぱいなんだろうけどよお」
「もう一度言う。対等にプレーしてこい! 目を見合え。指示をし合え。そうして初めて「適正な距離感」が生まれるんだろ!? お前ら4人でやれることを、なぜ俺達にしてこない!?」
「お前らがロープでつなげた連携力…そのロープ、前の俺達にもつなげるくらいの気持ちで来い!」
本当の意味で信じ切れていなかったのは、アシト達だったわけです…。
先輩、先人の言葉はいつの時代も深いですね…。
富樫だけは前半から割と指図していたので、疑問が浮かんでいます。
お互いにモチベーションを上げたのを見計らい、福田監督が声を掛けます。
「福田監督」
「お待たせ! ようやくまとまった! ミーティングしようや!」
再び唖然とするアシト達。この回は4人の固まる描写が非常に多いです。(笑)
「いや、本当に良い話してくれたぜ。助かった!今から俺が言う戦術は、縦・横ともに徹底した「コンパクトな距離感」が必須だからな。念押す手間が省けた! 小早川と秋山の話に俺が最後のピースをはめ込むカンジだ!」
「ピ、ピース?」
「んじゃ…」
「あ、あのー、福田カントク!」
元木が福田監督の話に横入りします。
監督がいつミーティングを始めるか分からないから、トイレに行ったとのこと。
呼びに行こうか、と聞いた元木に福田監督はあとで個別の話もあるから、と断ります。
アシトだけはその雰囲気に何かを感じ取りました。
「そもそもよォ、お前ら。「コンパクトに守る」っていうことの、本当の意味は何だと思う?」
「は?」
教育者の顔をした福田監督。
「全ては、「ボールを奪いにいくための準備」。これだよ。今から言う戦術を、後半開始から実践しろ。ハマれば、特に1年生…お前らのサッカー観がひっくり返るぜ」
」
一面を使った描写、しかも足元から上に向かってのアングルショット。
大空が広がる描写はサッカー観が変わる、という言葉がとても上手に表れています。
――そのころ、桐木はというと…
「ユニフォームでこんなとこまで顔を洗いに来るのか。わりと自由な奴だな、お前」
「栗林…!? なんでお前がここに…」
「桐木。何やってんだお前?もし今日負けたら、お前、戦犯になるぜ」
これは、栗林に言われたくなかった一言でしょう…!
桐木の表情が怒りに染まって、今回は終了です。
アオアシ 第160話 感想
合併号なので、読み応えがありました!!
今は学びのときなのでしょう、アシト達の唖然とした顔も人揃っていて面白かったです。
サブタイトル通りの内容でした。
次号は桐木がいかに自分と向き合えるのかが問われそうですね。
栗林との間にある劣等感を無事昇華し、エスペリオンに勝利を掴ませて欲しいものです……!
アシト達の成長も見守っていきましょう!