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彼女、お借りします(第83話)のネタバレ!
水原とのツーショットを眺める和也の頬は緩んでいた。
嬉しさに惚けながらも、自分のやりたいことを考えていた。
水原は次の舞台も決まり、ちゃんと夢に向かって一歩ずつ進んでいる。
写真立てを買おうと考えてると、スマホが着信を知らせる。
割れた画面には、祖母の名前が表示されていた。
「明日は寿司とピザ、どっちがいい?」
開口一番、祖母はそんなことを訊ねる。
木ノ下家には血の掟なるものがあった。
それは和也の誕生日である6月1日は家族でご飯を食べるというものだった。
「寿司かな」
思春期の嫌な思い出を浮かべながら答える。
それだけという和也に祖母は疑問をぶつける。
「千鶴さんの誕生日はいつなんじゃ?」
思わず和也は身を引いてしまう。
祖母は和也の困り声を無視して勝手に盛り上がる。
「誕生日なら実はもうこの間…」
適当に誤魔化してやり過ごそうとしていた和也の言葉を聞いた祖母は、爆発した。
「考えられん!!! 儂がお祝いせんとでも思ったか!」
祖母の割れんばかり声に和也の鼓膜が破れそうになっていた。
悶える和也を無視して祖母は末代までの恥じゃと罵声を浴びせる。
「決めた! 合同誕生会じゃ」
和也の意見など聞く耳を持たずに祖母は話しを進めて、勝手に電話を切った。
思わずスマホを枕へと投げつける。
――昨日の今日で頼むとか、恥ずかしくて死んでしまう
水原の言葉を思い出しながら和也は悩む。
それでも結局、和也は水原にコンタクトを取る。
ベランダから窓に紙をぶつけて、水原をベランダへと誘いだす。
「明日の夜、空いてる」
「おばあさん関連?」
「鋭いな」
和也は事の顛末を説明する。
「ごめんなさい。明日、おぼあちゃんのお見舞いに行く約束なの」
水原は入院する自分のおばあちゃんに会いに行くと告げる。
さすがの和也もその予定を無視してでも、誕生会に参加するように誘うことはできない。
諦めようと考えて、気まずくならないように謝る。
「6時以降なら行ける。レンカノ辞めるまでは彼女だから」
水原はお見舞いに行ったあとなら参加できると続けると、和也の表情はぱっと明るくなる。
「誕生日おめでとう」
「ハッピーバースデー」
午前零時を過ぎ、6月1日になった瞬間に電話を掛けてきたるかは和也を祝う。
「日曜日はた~~っぷり会えるんですよね」
前に誕生日は会えないことはるかには伝えていた。
その際に駄々をこねる彼女をなだめるのには苦労したことを思い出す。
「千鶴さんがいないのなら安心です」
「えっ!」
「えっ!」
思わず漏れてしまった声に、るかは勘付いてしまった。
咄嗟に言い訳を試みるがすでに電話は切れていた。
「バレた? バレたのか?」
何度もリダイアルするが、るかが出る気配はなかった。
日曜日に埋め合わせするしかないと和也は諦める。
夕方になり水原の部屋のポストに実家の住所を書いた紙を投函する。
「さあご実家へ参りましょうか、和也君」
アポートの階段を下りた先には、オシャレをして不敵な笑みを浮かべるるかが待っていた。
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彼女、お借りします(第83話)の感想!
制服デートにて手に入れたツーショットを眺めながらにやける和也は本当に嬉しそうでした。
夢へと少しずつ近づいている水原の隣にいることで、自分のやりたいことについて考えるようになりました。
水原が和也に与えた影響は恋心だけではなかったのだと思います。
至福の中で訪れるのは、アクティブな祖母の突拍子もないアイデアに戸惑う和也。
レンカノを辞めるまでは彼女を続けると言う水原との距離も少しは縮まっているのかもしれません。
和也から漏れた声でるかにバレてしまいました。
るかの行動次第でこれからの物語に波乱が起きそうです。
次回もお楽しみに!
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