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アクタージュ(第57話)ネタバレ!
杉並北高校学校祭―通称杉北祭まであと5日。
夜凪の通う学校に一台のスーパーカーが乗りつけていた。
スーパーカーから降りてきた人物は帽子にマスクを身に付け変装していた。
「元気にしてるといいんだが」
星アキラは、舞台以降全てのオファーを断っている夜凪が心配で学校を訪れていた。
――あなたがあなたでなくなる前兆よ
母親の星アリサが夜凪に掛けた言葉が気になり、そして嫌な予感もあった。
「ご協力お願いします。映画部です」
アキラが見たものは、夜凪と吉岡が多くの生徒に囲まれ、渡り廊下で声を上げているところだった。
撮影のために渡り廊下の生徒たちを払おうとしていた。
呼びかけるが、芸能人の夜凪を一目見るために生徒たちは集まっていた。
「やあ夜凪くん、久しぶり」
生徒たちをかき分けてアキラは夜凪に声を掛ける。
夜凪に声を掛けた謎のイケメンに注目が集まり、正体がばれる前に夜凪はアキラを引っ張っていく。
突然やってきた理由を述べるアキラと、彼のせいで騒ぎになると責める夜凪は言い合いをしていた。
夜凪は千代子とのデートで、有名人はその場にいるだけで騒ぎになり思うように行動ができないことを学んでいた。
「だから駄目です」
撮影の手伝いを申し出たアキラに吉岡は喜ぶが、夜凪は断固として拒否した。
人払いでもと食い下がる吉岡に夜凪は聞く耳を持たなかった。
夜凪はあくまで吉岡とふたりで撮影を行い、映画を完成させたいと主張した。
相変わらず渡り廊下には通行人や見物客が多かった。
「カメラ回して」
人がまだ人がいることを吉岡が指摘する。
「大丈夫」
夜凪はこれまで鑑賞した映画の中から一場面を思い浮かべる。
異形となった人々に襲われるシーンを。
夜凪の表情は何かに怯えていた。
周囲の生徒たちは汗をかき雰囲気の変わった夜凪に視線を集めた。
「入ったんだ、芝居の世界に」
夜凪の変化に戸惑う吉岡に変装したアキラが演技が始まったことを教える。
腰を抜かし尻もちをついた夜凪は、どこかを指差す。
「逃…逃げて」
怯えながらも必死に訴える夜凪の行動に周囲の生徒たちは、本当に何かが来ているかのように慌て出す。
舞台を経て更に研ぎ澄まされた表現力は、感情を伝播させる。
何が起きているか分からない生徒たちは勝手な想像に怯えて、各々去っていく。
「吉岡君、カメラを構えて」
誰もいなくなった渡り廊下で、夜凪は汗も引き普通に立っている。
「なるほど、綺麗だ」
日差しの絶妙な入り加減がより孤独の女子生徒を際立たせる。
その演出のために渡り廊下を選んだことにアキラは納得した。
ソファーで膝を抱えて座る夜凪を見る。
汗をかき息も少し上がっているようだった。
「夜凪君、大丈――」
アキラが声を掛けるとビクッと驚く。
――やはり戻って来れてないんじゃ
アキラは深く潜ったまま戻れなくなっていることを心配していた。
パン。
「よしもう平気。私も絵コンテ見ていい」
頬を叩いた夜凪は吉岡にこれ先のシーンの絵コンテを要求する。
ふたりは絵コンテを見て、これから先のシーンについてあれこれと話し合う。
――黒山さんの狙いはこれか
アキラはオファーの絶えない夜凪の仕事を断り続ける黒山の真意を理解した。
役者仲間では芝居から戻ってこれる場所にはならない。
ここでは役者・夜凪景ではなく、女子高校生・夜凪だった。
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アクタージュ(第57話)感想!
突然の来校する星アキラの目的は夜凪の偵察でした。
役者仲間の中で星アキラが一番夜凪に構っているような気がします。
夜凪が深く潜ったまま戻って来れなくなることを心配するのは黒山以外では、星親子だけです。
その中でもアキラは彼女の危うい脆さを一番心配しているように感じます。
夜凪の表現力は回を増すごとに研ぎ澄まされ、より見る人に影響を与えるようになっています。
撮影でもなしに、恐怖を伝播さえる演技は魅力的でもあり、怖いものでもあります。
彼女が普通に戻れる居場所を作ることが黒山の目的なら映画部がそうであってほしいです。
次回も見逃せません!
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